γ(ガンマ)計算確認ツール

γ(ガンマ)とは?

・ドパミン・ドブタミンなどの薬剤で使用される投与単位(μg/kg/min)である・通常では約1~5γ、最大20γである・使用薬剤、体重、流速から算出可能
γ(ガンマ)とは、μg/kg/minの単位のことで、ドパミン・ドブタミンなどの薬剤で使用されることが多いです。カルテでは、「ドブタミン3γ」などで、ガンマ表記されている施設が多いと思います。μg(マイクログラム)や、min(分)などの単位が盛り込まれているので、計算に抵抗ある方が非常に多いです。循環動態が悪い方に使用する場合が多く、投与前に正しい流速であるかをきちんと把握する必要があります。まずは、どのくらいのγ(ガンマ)が一般的なのか、確認してみましょう。以下、添付文書の一部を抜粋しますが、ドブタミンやドパミンに関しては、通常では、約1~5γ(μg/kg/min)、最大20γと覚えていきましょう。
ドブタミン通常、1分間あたり1〜5μg/kgを点滴静注する。 必要ある場合には1分間あたり20μg/kgまで増量できる。※心エコー時にはmax40μg/kg/min
ドパミン1分間あたり1〜5μg/kgを点滴静脈投与し、 患者の病態に応じ20μg/kgまで増量することができる。
投与する前に、どのくらいのγ(μg/kg/min)であるか計算することで、その薬剤が適正量であるが、ある程度判断できます。とは言っても、実際に計算したことない、使用する機会が少ないから覚えられない!ことも多いと思います。今回の記事では、実際に、流速からγが算出できるようになることを目的としています。

実際に計算してみよう

さっそく、計算してみましょう。γ(ガンマ)は、以下の式で算出することができます。難しいように見えますが、以下の項目がわかれば、誰でも計算できるようになります。
・投与する薬剤の成分量(mg) ・投与する総液量(mL) ・体重(kg) ・流速(mL/hr)
γ(ガンマ)は、以下の式で求めることが可能です。
γ(μg/kg/min)= 薬剤(mg)÷全体の液量(mL)÷体重(kg)×流速(mL/hr)÷60×1000
例を挙げて、解説します。
 
くろ
ドブポン注0.3%シリンジ(ドブタミン塩酸塩)で考えてみよう。
 
はく
ドブタミン塩酸塩として150mgで、全体の液量は50mLだね!
 
くろ
仮に、体重50kgで流速が5mL/minで指示が入っていることとしよう。
ドブポン注0.3%シリンジ・薬剤の成分量(mg)→150mg ・総液量(mL)→50mL 患者・投与指示は以下の場合 ・体重:50kg・流速:5mL/hr
先程の計算式に代入していくと、以下のようになります。
γ(μg/kg/min)= ドブタミン150(mg)÷全体で50(mL)÷体重50(kg)×流速5(mL/hr)÷60×1000
※ここでの÷60の意味は、1時間あたり流速(mL/hr)を1分間あたりの流速(mL/min)に変換しています。 ※ここでの×1000の意味は、薬剤の量(mg)を(μg)へ単位を変更するために行っています。(1mg=1000μg)
計算すると、γ(μg/kg/min)=5となるはずです!
γ=5ということは、添付文書からも逸脱していないことが確認できますね!
γがわかると、γ=5で投与されているのであれば、通常1~5γの範囲と考えると、まだまだ心機能の回復には時間がかかりそうなどの情報もわかってきます!
今回、例にした0.3%製剤であれば、流速が2桁いくようなことがあれば、すこし立ち止まって考えてみる必要があると思われます。
 
くろ
なれてくると、0.3%製剤(150mg/50mL)は、体重50kgの患者であれば、γ=流速と一致することがわかるぞ!
 
はく
そうすると、体重100kgの患者であれば、γ=流速の半分と瞬時にわかっちゃうね!
0.3%製剤は、計算上非常に便利ですが、0.1%製剤や、アンプル製剤もありますので、基本的に毎回計算する必要があります。小児など、薬剤の投与量が少ない場合は、希釈して用いる場合もありますので、特に注意が必要です!
体重50kgの患者に0.3%製剤(150mg/50mL)が投与されている場合γ=流速(mL/hr)と一致する

便利ツール

投与速度に自身がない方は、以下の計算フォームを作成しましたので、検算にご利用ください。
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