実は、この前、体調を崩してビーフリードを点滴した話

先日、私事ではありますが、持続する下痢・腹痛・発熱の症状があり、食事もほとんど食べれない状況となりました。

なむなくして、自分の勤務する病院に、受診し、入院までとはならないものの、少しの間、胃腸を最大限やすませるために、通院で点滴治療を受けることとなりました。

普段、触らない日はないぐらい調剤している【ビーフリード】を投与されることとなりました。

『患者』の立場から、【ビーフリード】に触れることで、わかったことがあったので、まとめてみます。

 
はく
実際に投与されることで、気づいた部分がたくさんあったよ!

ビーフリードのカロリーは?

まず、気になったのは、カロリーです。

数日間、絶飲食とのことで、ビーフリードだけのカロリーで、自分の空腹を抑えることができるかやや心配でした。

といいつつも、日頃、蓄積傾向であったカロリーを消費できるかもと淡い期待もありました。

で、改めて調べてみると、ビーフリードといえば、パッケージは、大きな印象がありますが、実は、思ったほどカロリーがありません。

500mL中に210kcalとのことで、だいたいお茶碗一杯の白飯と同じぐらいです。

僕の場合は、ビーフリードを1日あたり2本投与であったので、420kcal/日でした。

基礎代謝で消費されるカロリーは、年齢、身長、体重、性別、活動レベルなどで求められますが、多くの方が、1000~1600kcal程度の範囲に入ると思います。

そう考えると、圧倒的にカロリーが足りていないことが分かります。

退院する患者さんの中には、末梢静脈栄養だけで退院できるかと、カンファレンスなどで話題にあがることがありますが、1日あたりどのくらい投与し、どの程度継続するかどうかを確認しないと問題がありそうですね。

 
くろ
1本あたり≒白飯一杯って考えると、覚えやすいな。

1日の最大投与量は?

では、1日あたり、何本までビーフリードを投与し、カロリーを稼ぐことができるのか見ていきましょう。

実際に、最大5本までは、投与可能となっていますので、カロリーでいうと1050kcalであり、水分量として、2500mLが上限となります。

最大量を投与したとしても、一般的な場合は、基礎代謝の観点からも、ずっと継続していくといずれエネルギー不足になる未来がわかります。使用期間をチェックしていく必要がありますね!

また、症状によっては、水分負荷がかけられないケースもありますので、投与本数を絞らなくてはいけない場合もあるようです。


実は多い副作用【血管痛・静脈炎】

僕が、この記事を書くきっかけになったのが、この【血管痛・静脈炎】です。

投与初日は、全然、痛くなかったんですが、3日ぐらいから、二の腕の内側がピリピリとする感じが、数日間続きました…。

自分の勤務する病院で、なかなか言い出しにくかったのですが、知り合いの看護師さんと医師がいたので、腕を見てもらうと、『これは血管炎おきてるね~』って教えてくれました。

 
はく
実はこんなに痛い思いをしている患者さんがいるのか…
 
くろ
言い出しにくい患者さんもいると思うから、投与している時は、聞いてみよう。

なぜ痛いか。

大きく2つの原因があると言われています。

1つ目が、【ビーフリードが酸性に傾いている】こと

体の血液のpHは約7.4ぐらいに保たれていますが、ビーフリードは、開通させて、上室・下室を混合させると、pHは約6.7ぐらいになると言われています。pHが小さいほど、酸性に偏っていると言えます。

一般的には、酸性に傾く薬剤は、多くあるのですが、投与したとしても、他の輸液によってすでに希釈されていたり、量が少なかったりするため、自分自身の血液の緩衝性によって、中性付近にすぐに戻るため、大きな問題にはならないことが多いです。

ですが、投与液量が多い輸液や、強い酸性の薬剤を投与した場合に、血管炎・静脈炎になるケースがあります。

輸液でいうと、ソリタやハイカリックなども酸性に傾いていますので注意が必要と思います。

2つ目が、【浸透圧が高い】ことです。

中心静脈栄養であるエルネオパはその名の通り、『太い鎖骨下動脈』などから投与すると思います。理由としては、あまりにも成分が濃いため、体の中で、十分に希釈するのに水分が必要だからです。

イメージとしては、ドロドロの煮干し系のラーメンをスープを飲んだ後に、水を飲みたくなりませんか?濃い成分が入ってきたときに、なるべく体の成分に希釈すべく、水を飲むのです。

 
くろ
あんまりいい具体例じゃないな。

ビーフリードは、エルネオパと比較して、カロリーも低く、『通常の静脈』から投与できる濃度であり、末梢静脈栄養として使用されています。

しかし、浸透圧比 3.0であり、体の浸透圧の3倍あります。

このことから、体の緩衝性、血管の太さにも個人差があるため、ビーフリードでの血管痛・静脈炎の発生のリスクはありそうですね。

また、投与速度も決められています。

500mLあたり、最低2時間をかけるように言われています。

今回、僕は通院で毎日、午前中という限られた時間の中で、2本(1000mL)を投与を投与しました。

通常よりも、速い流速にて投与したと思いますので、血管痛の原因の一因となった可能性がありそうですね。

 
はく
用法用量・流速はきちんと守ろう!
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